沢2シーズン目:リハビリの沢
九州さんらく会に入会を許されて1年目。沢デビューは脊振山系の金山沢でした。
初級の沢という事で同会員だったリフトさんに突然お誘いいただいて大変楽しく遡行できました。
沢にも難易度に応じて1級(初級)〜6級(最上級)のグレードがあるそうで、
その後は図らずも2、3、4回目とグレードも2、3、4級と上がっていきました。
最初、通称3級や4級の沢に行くと言われた時、自分の力量と見合わないと思い尻込みしていたのですが、
岩のグレードと違い沢のグレードは緩やかなものでコンディション等によっても大きく異なる事を知りました。
実は今回は泳ぎまくりの沢に行く予定でしたが、仕事が多忙で沢どころか里山歩きも全く行っておらず、
泳ぎの体力と長い工程に耐えられない事、前日の深酒の不安と今シーズン初沢という事もあり、
初級のゲレンデの沢に変更していただきました。今回は、北部九州に集中的に降り避難勧告が続出したゲリラ雨の影響で
かなり増水しており、1級程度グレードアップしているとの事でした。
山行概要
2009年8月1日 実施 リフトさん(会員外)、Poohの2名
洗谷(あらいだに)
背振山系 福岡県早良区付近(佐賀県との境)
9時、登山道を登り、堰堤上部から入渓。
12時過ぎには稜線前に到着。懸垂降下の練習をした後、沢筋の登山道をたどり14時ごろ下山。
特徴
(1) 福岡市近郊で都市部からアクセスが良い(一時間程度)
(2) 登山道が沢を何度も横切って沢のスグ横に付いている。
(3) 現在は間伐材の倒木が多い。昔はすっきりした谷だったとの事。
(4) 小滝が多く、すべて直登可能。もちろん巻きも容易。
(5) 沢詰の藪漕ぎは全くありません。
山行の様子
撮影した画像で沢の雰囲気を紹介します。
過去のと比較して本日は水量が多く、グレードアップしています。
舗装路横の「ふぢはし」という橋を渡った横の登山道から入ります。
その10m前位の位置に5、6台は駐車できるスペースがあります。
今日は増水していて小滝も楽しめます。
プチゴルジュの登場です。間伐材の倒木がなければ「泳ぐぞぉ、突撃っー!」と叫びたくなる水量です。
以前はゴルジュと聞くと、「陰湿」「暗い」「寒い」「狭い」という嫌ぁ〜な印象しか無かったのですが、
最近ではその特性から「泳げる(泳がないと突破不可能)」という少しだけ良い印象も加わりました。
すでに「ゴルジュ症候群」が発症したという自覚症状があります。
1ケ目の核心部、ゴルジュの滝です。今日は水量が多く楽しめます。ワクワク♪。
最初に見た時は突破不可能と思ってビビっていたのですが、近寄ってルートを探ると突破口が見えてきました。
手がかりが豊富で滑(ヌメ)りもありません。
リフトさんの模範演技です。スイスイと登っていきます。
突っ張りで水流を避けての空中登攀です。ワタシはセカンドで引っ張り上げてもらおうという甘い考えでしたが、
滝の落ち口からザイルやお助けスクングの出てくる気配はありません。アドレナリン噴出で登り始めますが、
意外にもスイスイとフリーで突破です。そろそろ「大滝登攀病」の予防をしないといけませんね。
核心部その2の小滝です。水流を避けて左の手がかり頼りに登れば普段は別にどおって事無いと思いますが、
やはり増水で迫力があります。
リフトさん、小滝で遊んでいます。やはり暑い日はシャワーに限りますね。真夏の里山で蚊やアブに刺されつつ
熱中症と闘いながらボッカ(歩荷)で登るのも嫌いではありませんが、一度この爽快感を体感してしまうと特にワタシの様な
暑がりには後戻りできない魅力があります。
さんらく会同期入会の女性に寒がりで「沢は絶対やらない」と言っていた人がいましたが、今では沢狂いの様です♪
なかなか趣があります。
写真では難しそうですが、右のクラック沿いに簡単に登れます。
最後の核心部、2段滝の下部です。程よく増水しています。水心登攀は滝の落ち口が難しそうですが最後は右のクラックに逃げれば
十分にフリーで登れます。滝の右側に登山道の巻き道も付いていて、何人かの登山者が登って行きました。
時間に余裕もありますしザイルワークの練習をしていただける事になりました。残置ハーケンが2ヶ所にありました。
岩やインドアクライミングを除き初めて沢でヌンチャクを使用する事に。なんとリードで登る事に。
て、いうかワタシのビレイでは安心してリードできませんしね(^^;
実際はこの上段の滝の方が難しく、ザイルを出しましょうか?と言われたのですがラインを読み調子にのってフリーで登攀。
あと一歩が出ずに蝉になりかけました。※「蝉」とは登るに登れず降りるに降りれず、まるで蝉が木に止まっている様な状態を
指す様子です。
登る前にイメージしたラインを思い出し、左にトラバースしてなんとかフリーで登り切りました。
後は沢詰めです。縦走路への斜面で懸垂下降の練習までしていただきました。あの「井戸の底の沢」へ行くために絶対マスターしないと!
天気も悪いし井原山ピークはパスして登山道を下山です。
山行を終えて
シーズン初沢に最適なコンディションの沢でした。ザイルワークは何度も繰り返し練習する必要があると思いました。
沢は行きたいけどちょっとねぇーと思っている皆さん、最初の一歩踏み出してみませんか?
九州さんらく会はそんな人達をお待ちしています。